有限会社K工業様は、業種「とび・土工」で建設業許可を取得されたいとのご相談でした。10年以上前に会社を設立しており、社長様は10年以上前から代表取締役として登記されていることが登記簿で確認できました。

社長様が常勤役員等(経営管理責任者)と専任技術者を兼任する予定でしたが、国家資格や指定学科の要件をクリアしておらず、最も難しい「実務経験10年」での申請となりました。

まず、過去10年分の工事契約書類を確認しましたが、取引会社の押印のある契約書や請書はなかったので、請求書と入金記録(通帳)を10年分集め、資料を作成することにしました。

しかし、社長様の「常勤性」の確認のために、健康保険証を拝見すると、7年前に加入となっていました。事情を聞くと、7年前以前は国保加入だったとのこと。社会保険の未加入はよくあるケースではありますが、これでは、過去の「常勤性」の確認ができません。つまり、「その会社の健康保険に入ってなかったということは、その会社で本当に業務をしていたの??」という風に疑われてしまいます。

そこで、過去の決算書と確定申告書を確認したところ、「役員報酬」欄で社長様のお名前と一定以上(月に5万円とかではダメです)の報酬支払いが確認できましたので、これを補足資料として提出し、無事役所に受理されました。

このように、建設業許可申請では、過去の資料を「漏れなく・すき間なく」準備しなくてはならないため、イレギュラーなこともあります。「1級土木施工管理技士」などの強力な国家資格を持っていて、簡単に申請できることの方が珍しいです。

イレギュラーな場合でも、弊所では、過去の資料を確実に集め、不足部分は補足資料を作成して申請します。根気強い作業ですが、無事許可が取得されたときはお客様に喜んでいただけるので、頑張れる仕事です。