建設業許可申請の流れと必要書類を徹底解説
目次
~東京都での申請を成功させるために~
建設業を本格的に営むには、建設業許可の取得が必須です。
「許可を取れば、500万円以上の工事を請け負える」「公共工事に参加できる」といったメリットがある一方で、申請手続きは煩雑で専門的な知識が必要になります。
この記事では、東京都で建設業許可を取得するための流れと必要書類を、行政書士が初心者向けにわかりやすく徹底解説します。
■ 建設業許可を取得するメリットとは?
まず、建設業許可を取得する主なメリットは以下の通りです。
| メリット | 解説 |
|---|---|
| ✅ 高額工事(500万円以上)の受注が可能 | 許可なしでは「軽微な工事」に限られる |
| ✅ 公共工事や元請案件に参入できる | 入札参加資格の取得やゼネコンとの取引に必須 |
| ✅ 信用力アップ・融資や補助金でも有利 | 金融機関・行政からの信頼性が高まる |
| ✅ 許可番号の表示で安心感をアピール | 名刺・看板・広告に掲載可能(営業上の差別化になる) |
■ 建設業許可申請の全体の流れ【図解】
以下は、東京都における一般建設業許可の取得までの代表的な流れです。
【建設業許可申請の流れ】
textコピーする編集する① 要件確認 → ② 必要書類の収集 → ③ 書類作成 → ④ 事前確認(任意) → ⑤ 都庁への提出 → ⑥ 審査 → ⑦ 許可証の交付
■ 各ステップの解説
① 要件確認(最重要)
申請には5つの基本要件を満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 経営業務管理責任者がいること | 原則として建設業経営5年以上、または補佐経験6年以上など |
| 専任技術者がいること | 資格者(例:2級施工管理技士)または10年実務経験など |
| 財産的基礎があること | 500万円以上の自己資本、または預金残高等の証明が必要 |
| 誠実性・欠格要件に該当しないこと | 法令違反歴や暴力団関係者でないことなど |
→ 一人親方や新設法人では、ここでつまずくケースが多く、行政書士による要件チェックが推奨されます。
② 必要書類の収集
申請に必要な書類は多岐にわたります。主なものは以下の通り。
| 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|
| 申請書一式(様式第一号〜) | 建設業法に基づく定型様式。業種ごとに記載が必要 |
| 履歴事項全部証明書(登記簿) | 法人の商業登記簿(3ヶ月以内) |
| 納税証明書 | 法人税・消費税の納付状況(都税事務所・税務署) |
| 財務諸表(直近1〜2年分) | 貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書など |
| 経営業務管理責任者の証明書類 | 役員在任期間証明、確定申告書、工事契約書など |
| 専任技術者の証明書類 | 資格証、実務経験証明(雇用保険・在籍証明など) |
| 営業所の使用権限書類 | 賃貸契約書または登記事項証明書・固定資産評価証明書など |
| 宣誓書・誓約書等 | 法令順守に関する誓約 |
→ 書類の不備は受理拒否・補正の原因になります。
③ 書類作成・チェック
- 書類作成は「東京都建設業許可申請の手引き」「Q&A」に準拠して行う
- 記載内容に不整合があると審査で止まるため、他の証明書類と整合性を確認
④ 事前相談・確認(任意)
東京都では、事前相談や技術者経歴の事前審査を受け付けている場合あり。不安な場合は利用を推奨。
(ただし混雑時は数週間待ちのことも)
⑤ 提出・受理(東京都庁・都市整備局)
- 原則として予約制・対面提出(一部電子申請あり)
- 都庁内の建設業課での受付となる
- 提出から審査開始までは1〜2週間程度
⑥ 審査期間(標準30〜45日程度)
- 書類に不備がなければ1ヶ月〜1.5ヶ月で許可通知
- 不備・追加資料要求があると延長される
- 登録通知書と許可証が発行される
■ よくある申請ミスと対策
| ミスの例 | 対策 |
|---|---|
| 決算変更届が未提出で不受理 | 許可取得前に「過去の決算変更届」をすべて提出する |
| 経営業務管理責任者の経験証明が曖昧 | 工事契約書や確定申告書などで明確な証拠を揃える |
| 専任技術者の実務経験証明が不足 | 雇用保険・健康保険記録、在籍証明などで裏付けを取る |
| 書類の整合性がとれていない | 登記簿、定款、申請書、納税証明書の記載内容を相互確認する |
■ 行政書士に依頼するメリット
建設業許可申請は、書類の量と審査基準の厳格さから自力での申請は高いハードルとなります。
東京都の実務に精通した行政書士に依頼することで、
- 許可取得の可否を事前診断
- 書類の収集・作成・整合性チェックまで一括対応
- 東京都庁への提出・補正対応も代行
- 今後の更新や業種追加の相談にも対応
といったサポートを受けられ、確実かつスムーズな申請が可能です。
■ まとめ|確実な申請には「準備」と「知識」がカギ
建設業許可の申請は、ただ書類を揃えるだけでなく、「自社が本当に要件を満たしているか?」という根本的な確認が欠かせません。
- 「そもそも自分は許可を取れるのか?」
- 「どの業種で申請すべきか?」
- 「書類をどう準備すればいいのか?」
そんな疑問をお持ちの方は、建設業許可に精通した東京都の行政書士にお気軽にご相談ください。
